トレイルバックスのしごと

小さな力で地域づくりのおてつだい。トレイルバックスは風景の通訳家(Landscape Interpreter)です。

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文化的景観とツーリズム

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住んでいる人に寄り添う気持ちをツーリズムの現場に

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魅力的な文化的景観を多くのひとびとに伝えたい

IMGP0240.jpg1992年に世界遺産の概念として「文化的景観」が新たに加えられて以来、風景を「人間と自然環境の共同作品」だと捉えるこの概念は、それまでの風景に対する価値観を大きく展開させています。著名な建築家やアーバンデザイナーの成果ではなく、その場所で長く続くひとびとの暮らしの作法とその継続中の結果にこそ価値があるという考え方は、人間に誠実な履歴があるように、場所にも懸命な履歴がある、と教えてくれます。つまり「文化的景観」という考えは、私たちの国土のあらゆる場所の魅力を再認識させるちからがあります。集客型イベント型の観光ではなく、場所の履歴に敬意を払ったツーリズムこそが、多様な地方、中山間地や離島、半島の暮らしの様相を、さらに価値のあるものへと高めるカギになるのです。

重要文化的景観選定地域、世界遺産国内暫定候補リストエリアでの活動

IMG_1059.jpgトレイルバックスは、長崎県平戸市や福岡県福津市・北九州市等といった、九州における文化的景観の核心地、あるいは世界遺産国内暫定リストのエリアでの、さまざまな地域居住支援活動、観光支援活動、あるいはその地域での公共事業・道路事業の設計調整、各種の公共施設に対するデザインアドバイスを行ってきた経験があります。都市部や中心市街地での観光や公共空間デザインとは全く異なる観点、手法が必要とされる地域での取り組みの豊富な経験とつながりが、トレイルバックスの財産です。

マウンテンバイクと自転車の利用

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自転車でしか体験できない地域の風景と暮らしがある

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発見に満ちたトレイルを自転車で走ろう

IMGP0901.JPG自転車を楽しむ人たちは日本にも大勢います。しかし、自動車の通行のために法律上の規格を与えられた舗装幹線道路を走ることは、アスリートの力を試す場とはなっても、本当の意味で人間が車輪を回す自転車の能力と特性に合致した体験とはなりません。人間が歩く道、かつては牛や馬を引いて通った山道や里道こそが、自転車の特性とスピードに合った、自転車で体験する「必然」がある道なのです。トレイルバックスは、地域の魅力を体験する手段となる自転車として、マウンテンバイクと電動アシスト自転車の利用を応援し、それらにふさわしい魅力ある風景や地域の暮らしぶりのあじわいを大切にしています。そのために、道路や林道農道以外のルートをたどる必要がある場合も含めて、トレイルバックスでは土地所有者や管理者との協力関係、通行を許していただくためのご理解を大事にしています。

小道やわき道、トレイルが主役となる自転車体験をうみだす活動

IMGP1896.JPGトレイルバックスは、これまで中山間地や農山村、あるいは伝統的集落のまちなかを舞台に、さまざまな自転車およびマウンテンバイクのイベントを主催し、あるいは参画、実施協力してきました。福岡県八女市上陽町や、福岡県福津市、熊本県の阿蘇ジオパークの各エリアで、小学生から高齢者の夫婦、家族連れが参加できるルート探しサイクリングを多数実施しています。また日本マウンテンバイク協会の公認インストラクターの資格を持ち、イベントでの参加者の安全を確保しつつ、ライドマナーと技術、地図やコンパスを使ったナビゲーションスキルの向上にも積極的に取り組んでいます。

公共の計画策定支援

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しっかりした計画技術が支える地域の魅力づくり

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いろいろな角度から地域を考え計画のありかたを構想します

R0012739.JPG税金を使った公共事業や計画策定には、学識者・専門家としての冷静で理論的な考え方と、現場で暮らすひとびとの目線でものごとをとらえる考え方の両方が、同時に求められます。たとえば都市計画というせまい範囲の法律や制度にくわしいだけでは、地方の中小都市や農山村、離島をふくめた計画づくり、公共施設空間のマネジメントを上手に行うことはできません。農地、森林、河川や水面、道路、荒れ地といった土地利用のバランスの理解や、大規模小売店舗、屋外広告物等の人工的な建造物、構築物への知識も必要です。総合的な公的計画の策定支援のためには、広い範囲の計画分野の技術に対する理解と経験が不可欠なのです。

20年間の公的事業にかかわった経験と知識をフルに活用

SANY0049_5.JPGトレイルバックスは計画技術者としての顔をもっています。都市計画審議会、屋外広告物審議会、景観審議会などの委員の長年の経験に加え、北九州市、柳川市、福津市の景観計画策定に関わっています。また国による国土利用計画策定派遣アドバイザとして全国の多数の自治体で働いてきました。多くの公共施設空間のデザインを直接行い、一級河川や国道の構造物設計から、まちかどのモニュメント、サイン、橋りょうの高欄や笠木のデザインまで関わります。20万分の1から原寸までを同時に発想、構想するなかで、住民のちからと地域の職人さんのエネルギーが発揮されることを最も大切にしています。トレイルバックスは、大きなお金で大きな事業を一気に行うことよりも、小さなお金や地域のひとびとの生活時間を上手に束ねて身の丈に合ったプロセスをつくりだすことを得意としています。

地域づくりと人づくりのお手伝い

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小さなちからと時間を集めて大きな動きに

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身の丈に合った地元の取り組みをできることから順番に

R0011442.JPG「フードマイレージ」という言葉を知っていますか?地産地食(その場所でつくった食材を使ってその場所で食べる)を大事にする考えを数字で表す方法です。食事を構成する材料の重さと移動距離のかけ算を全部足したもので、フードマイレージが小さいほど地産地食が実践できていることになります。トレイルバックスの基本的な考えは、これを人材(タレント)にあてはめたものです。言うなれば「タレントマイレージ」を小さくしたい。地域のことは地域に住んでいる人たち自身がいちばんよく知っています。地域づくりのために、お金をかけて遠くから立派な人を沢山呼んで頼りにするよりも、できるだけ近くの人、地域に住んでいる人たちが役目を担って頑張れるようになる。このためには地元に発想力や実行力をもつ人たちが目覚め、生まれ、育って力を合わせるのが理想です。

やる気が出る、活躍の場がある、町や村をつくりたい

P9221360.JPGトレイルバックスは、直接人を育てることはできませんが、そのきっかけとなる仕掛けを提案したり学ぶための場所としくみを提供することができます。福岡県八女市上陽町や、熊本県小国町などでは、集落や地域のガイドの育成や、勉強と実践をつなげるためのイベントづくりにも関わってきました。国立大学法人において学生のインターンシップカリキュラムを、先端から伝統までの各種地場産業やNPO、観光協会などの各種団体と連携しつつ実践した3年間の経験も、トレイルバックスのしごとを支える柱となっています。

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